春のメンズセットアップの着こなし方
セットアップは、スーツの様な特定の服を指す言葉ではありません。正式にはスーツセットアップという和製英語で、服の着こなし方を指す言葉と考えて下さい。「スーツ仕立てのジャケットとパンツ」と「上下揃ったスポーツウェア」、「上下の素材を同じ物で揃える」で3つのパターンがセットアップの範疇に含まれます。今回は、春のメンズセットアップの着こなし方を3つご紹介します。
オフィスカジュアルとビジネスカジュアルについて
メンズセットアップを考える場合は、「オフィスカジュアル」と「ビジネスカジュアル」の2つの見方があります。
まず、オフィスカジュアルは「自社のオフィス内で急な来客があったとしても対応可能な、スーツよりは緩い服装」と解釈して下さい。見る人が一般的な範囲で清潔感を感じる範囲が基本であり、場合によっては私服として使っても違和感が無ければオフィスカジュアルの範疇となります。
対して、ビジネスカジュアルの方は「他社に出かけても失礼にならず、スーツよりは緩めの服装」と考えて下さい。こちらも私服に流用可能ですが、どちらかといえば「スーツの簡易型の公式用の衣装」という様に考えておくとよいでしょう。
オフィスカジュアルとはある程度区別しておく事が重要で、他社に行く場合も自社の続きの様に考えてしまうと文化が全く異なっていて支障が出てしまう事も有り得ます。 そのリスクを回避する意味も兼ねて、ビジネスカジュアルの方のコーディネートは、最初はスーツの簡易型をテーマにし、後々好みによって取捨選択していくことをおすすめします。
自信が無い場合は、実店舗の店員さん等に選択のコツについて、相談してみるというのも1つの選択肢です。ちなみに、出かける先の企業の様子等があらかじめ分かっている場合には、そこで働く社員の服装を参考にしてコーディネートを考えるという方法もあります。
メンズセットアップとスーツの違いについて
スーツとメンズセットアップは、販売の仕方でも大きい違いがあります。スーツの場合はジャケットとパンツがセット販売ですが、メンズセットアップの方は両者が別売りになっています。
人によっては、上下サイズが違いセット販売だと片側がキツくて買い直さなければならなくなるケースもありますが、メンズセットアップの為に売られている商品の場合は、その辺りの心配は特に必要ありません。素材やデザインの方でも違いがあり、スーツ生地の場合はウールが多く、メンズセットアップの方ではウーレン生地が使われる事が多くなっています。
メンズセットアップは全体的にスーツよりも柔らかい印象になります。他にもスーツには必ず入っている肩パッドが入っていないことも、押えておきたいポイントです。
他に、メンズセットアップよりも難度が高いファッションとして「ジャケパン」がある事も補足しておきたい所です。ジャケパンとはテラードジャケットとパンツの略語であり、色と素材と柄がそれぞれ別個で分かれています。その分自由度が高くもあるのですが、組合せに失敗してしまうと特にビジネス関係では重大なマナー違反になってしまう事が多いです。
これらの点を考慮するならば、まずはメンズセットアップで色々コツを掴んで、カジュアルスタイルに慣れてから余力があるならばジャケパンの方に挑戦すると考えておく事をおすすめします。
春のメンズセットアップについて
春のメンズセットアップは、ジャージと同じ伸縮素材のカット地ジャケットや厚手のニット地ジャケット等が良い組合せになります。秋でも同じですが、寒暖差に対処するという意味で丁度良い素材を選ぶ必要があると考えて下さい。
コーディネートの具体例としては、ネイビーのジャケットとボトムに合わせて、ボーダーTシャツをアクセントに着るという選択肢があります。着こなしはシンプルですが、少しだけ遊び心を演出したお洒落がこれで完成します。
ちなみに、普段着としてカジュアルに着こなすのであれば足首の見えるアンクルパンツを選ぶのも1つです。この時に白ソックスが少し見える様な案配にしておく事がポイントです。
更にブラウンカラーのシャツが見える様にしておけば、コーディネートにアクセントを付ける事も出来ます。他にもペールトーンで、さわやかに決めるという選択肢もあります。
白や明るいグレー系で全体をまとめるのがポイントで、春らしさをこれでしっかり演出出来ます。色合いを引締める為に、靴の色を黒にしておけば丁度良いアクセントになります。淡い色合いでボヤけてしまう所を、靴の濃い黒がまとめてくれます。9部丈でソックスを覗かせるか、素足で靴を履いて軽やかさを演出するのもよいでしょう。
メンズセットアップとは、服の着こなし方のことをいい、全部で3パターンあります。スーツの違いはスーツがセット販売される事が多いのに対し、セットアップは別売りという点です。
春向けの素材としてはカット地や厚手のニット地がおすすめで、オフィスカジュアルとビジネスカジュアルの2つの見方がある事を知った上で、用途に応じて上手に調整することをおすすめします。