公開日:2023/05/15
一戸建てには土地がある分、場合によっては庭を作る選択肢が発生します。これが一戸建てを建てる醍醐味と考える方も多いのではないでしょうか。ここでは注文住宅で庭を設けるメリット、デメリット、砂利と芝ならどちらがおすすめか、庭を造る際に意識するべきポイントについて解説します。
注文住宅に限らず、庭を設けるメリットは、その空間を自由にアレンジできる点にあります。「春には溢れんばかりの花を咲かせたい」「家庭菜園で無農薬の野菜を楽しみたい」「子どものためにブランコや砂場などの遊び場所を作りたい」「ピザ窯を置いて自分でピザを焼いてみたい」など狭くても自分の自由になる空間があれば、工夫次第で可能性は無限大です。
マンションも庭がある場合がありますが、1階や屋上に隣接する場所に居住していなければならなかったり、ベランダは供用部分になるので虫の苦情など制約が多かったりするのが現状です。建売住宅でも庭があるものがありますが、絶対数が少ない上、面積が小さいなど問題がないわけではありません。これは、建売住宅の性質を考えれば当然のことですが、建売住宅は「万人受けする住宅」が多いため、居住性や設備、値段が優先されがちです。そのため庭は「おまけ」です。
さらに、庭があっても自分の思い描く場所や形でないこともあります。住宅が建っている以上、庭を自分の思い通りにしたいなら、改修に多かれ少なかれ費用、手間がかかります。はじめからこのようなストレスがなく、自分のやりたいことができるのは大きなメリットといえるでしょう。
注文住宅で庭を設けるデメリットは、庭を確保する分、購入費用がかかったり、住宅や駐車場が制約を受けたりすることでしょう。土地は予算と相談して限られた面積しか購入できない方が大多数でしょう。余りある広大な土地を購入できる方や所有している方は別として、多くの方は予算と理想を天秤に掛けて選択していかねばなりません。庭を広くすれば、家や駐車場に使える面積は狭まるので、現実的にはバランスを考えてある程度妥協しなければならないということになります。
管理する必要があるというのも人によってはデメリットでしょう。地面が存在するということは雑草が生えたり、コンクリートの劣化、割れ、汚れなどが発生したりする余地があるということです。「管理などしない」という選択肢もありますが、通風、見栄え、住環境の快適性などを考えたら現実的ではないでしょう。これを面倒と考える方はそもそも庭を持つべきではないということになります。
砂利、芝にはそれぞれメリット、デメリットがありますが、どちらも万能ではありません。
砂利は植物ではないので、管理せずに雑草を抑制できます。しかし、地面部分があるとその隙間から雑草が生えますので、定期的なメンテナンスが必要になります。雑草が生えるのを根本的に防ぎたい方は、下に防草シートを貼ってから砂利を撒くなどの工夫が必要になりますが、これも完璧とはいえません。また、砂利は経年により、汚れ、苔、カビ、土などが付着します。見栄えが悪くなるので、気になる方は定期的な更新が必要になるので、購入、処分費用がかかります。
芝生は植物なので、定期的に刈らないと荒れ放題になってしまいます。また、余程管理していなければしっかり刈っていても隙間にほかの植物の種が入り込み、芝だけではない状態にいつかはなります。これが面倒な場合は人工芝の導入をおすすめしますが、下地が地面ならば砂利と同様に雑草は生えますので、工夫は必要になります。
庭を砂利、芝にするにせよ、排水は重要な要素になります。排水が悪い庭は水が溜まりっぱなしになるばかりか、住宅や草木を痛めたり、苔やカビなどにより庭としての見栄えを損なったりする原因になります。業者と相談の上、しっかりとした排水計画を立てることをおすすめします。
庭を造る際に意識するべきポイントはなんといっても居住後の現実的な生活を思い描くことです。いくら立派な庭でも管理できなければただの荒地ですし、庭を広く取ったがために日々の生活に支障が出ては本末転倒です。
庭に限らず、注文住宅は理想と現実のすり合わせが居住後の満足度を左右するといっても過言ではありません。理想の庭を作るため、業者と綿密な打ち合わせをすることはもちろん、ライフスタイル、資金、管理にかけられる時間などを加味して庭を作り上げていく必要があるでしょう。
注文住宅で庭を設けるメリット、デメリット、砂利と芝ならどちらがおすすめか、庭を造る際に意識するべきポイントについて解説しました。庭を作ることのメリット、デメリット、考えるべきことがわかりましたね。現実と理想をしっかりと認識し、作り上げてこその注文住宅です。自分だけの城を作ることに妥協した方によい未来は待っていません。しっかりとプランを練って、最高の住まいを手に入れてください。